夏休みに、長く休暇をとる人が多いため、介護施設、レストラン、スーパー、警備会社、清掃など様々なところで、夏だけのアルバイトが募集されます。

私も、スウェーデンに移住して1年経った時から子供が生まれるまでの、3回の夏休み中(6~8月)に、高齢者の介護施設でアルバイトをしました。

日本の介護施設に、教員免許の研修として行ったことがあったので、その違いに驚きの連続でした。

正規ではないので、見えなかった部分も多々あったし、施設によって違うとは思いますが、私の目線から見た、スウェーデンの介護施設について書こうと思います。

まず、広々とした施設と個室にびっくりした

窓が多くあり、明るく清潔感があって広々としている施設。

そして、それぞれの居住者の個室には、簡易のキッチンと冷蔵庫、シャワーがあるトイレが付いていました(車いすで入れる大きさです)。

家具が持ち込み可能なので、それぞれの部屋に個性があり、写真や絵が飾ってあったり、テレビやソファーなど、カーテンや置物など、それぞれが居心地の良いように部屋をアレンジしてました。

ベッドは、必要な人は、電動で上げ下げなどができる介護用ベッドがありました。

過ごしやすそうな個室を見て、私の想像とは違っていたので、最初びっくりしました。

1日のルーティーン

朝 7:00 に職場の休憩室に集まり、夜勤の人からの引継ぎをして、それぞれの場所に行きます。

私が働いていた所は、一つの建物が3つのエリアに分けられていて、それぞれ9人、計27人の入居者がいる施設で

9人の入居者に対して、朝3人・午後2人・夜間2人の職員が働いていました。

何か起こった時の対処として、必ず2人以上で働くことが決められています。

面白いのが、朝の最初の仕事が、まずコーヒーを沸かすこと

人によっては、朝・朝と昼の間・昼・おやつの時間・夕飯・寝る前に飲むなど、コーヒーを飲む習慣があるので、朝食用に必ず誰かがコーヒーを沸かします。

そして、2人1組でそれぞれの部屋を回って、入居者の人を起こします。

体を拭いて、おむつをしている人は替えて、パジャマから洋服に着替え、髪をとかす・ひげを剃る・歯を磨くなど身なりを整えて、歩けない人は車いすに乗り、全員食堂に集まります。

ここが「スウェーデンが寝たきりゼロ」と言われる所以のようです。

毎食、起きて座って、食堂でみんなと食事を楽しみます。

朝ご飯は、スタッフが用意しますが、入居者によってミルクがゆ・パン・ヨーグルトなど食べたいものが違うので、いくつかテーブルに並べて食べたいものを取ってもらいます

薬を飲んでもらうことも忘れずに。

朝ご飯を食べたら、それぞれの部屋に戻るか、食堂で座ってテレビを見るかなど、入居者の人達はゆっくりと過ごします。

食器を片付けて、部屋の掃除、入居者のシャワーをする、洋服などを洗濯機で洗い乾燥機に入れる、などをこなし

昼になったら、昼ご飯を取りに行き配膳、食事補助、食べたら片付け。

午後は、乾いた洋服をたたんでそれぞれの部屋に戻したり、消耗品の補充、雑用などをこなし

3時のコーヒー(フィーカ)の時間 (おやつのためのお菓子を焼くことも度々ありました。)

お昼寝をする人がいるので、その介助など

夜ご飯は職員が作っていたので、何を作るか決めて、準備し作る、配膳、食事補助、片付け。

歯磨き、着替えなどの補助、寝る準備をして就寝。

施設の掃除、日誌に記載することがあれば書く。

といった感じでした。

その間にも、入居者の人は職員を呼び出すアラームを持っているので、呼ばれたらそれに対応します。

入居者の人達とゆったりとした時間

その時の状況にもよりますが、ご飯の最中や、お茶をする時間など、座って入居者の人達と、度々ゆっくりする時間がありました

アルバイトだからではなく、正規の職員の人達も一緒に座って話したり

入居者の人が大切にしているアルバムを見せてもらったり、若い頃の話を聞いたり、髪を巻いてほしいという方の髪を巻きながら、談笑したりもしました。

介護施設での仕事で、ゆっくりできるという発想がなかったので、これも驚きました。

スウェーデンの介護施設の入居料金

介護施設に入居するための、入居一時金はありません

施設に住むために必要な料金は、月額でかかる

  • 介護料金
  • 家賃
  • 食事

で、消耗品の料金を支払う必要がある場合もあります。

介護料金と食事は支払う最高額が決まっているので、それ以上払う必要はありません。

介護料金は市町村や収入によって異なりますが、ストックホルムの場合、は2018年時点で、月の支払い最高額は2089 kr (約25,000円)

家賃は部屋の大きさなどによって変わってきて、5000 kr から 9000 kr 程(60,000円 から 100,000円)

食事代の 月の支払い最高額は2840 kr (約35,000円)

トータルすると 月約10,000 kr (約120,000円) 程かかることになります。

しかし、この額を必ず払わなければ、介護施設に入れないのか?というと、そうではありません。

最低限の生活費を手元に残せる仕組み

スウェーデンの消費者庁の計算に基づいて、個人のニーズに対する、必要最低限の月額として、最少額(Minimibelopp) が設定されています。

これが2020年時点で 月5339 kr (約65,000円)

つまり、これだけの額は最低限手元に残せることが保障されているので、収入の低い人は、介護料金として支払う費用を減らしてもらえるのです。

ここが、スウェーデンらしいな、と感じました。

SoL (Socialtjänstlagen) 8 kap. 7 §

https://www.storaskondal.se/kostnad_aldreboende/

https://aldreomsorg.stockholm/avgifter-for-aldreomsorg/#:~:text=Minimibelopp%20%C3%A4r%20ett%20lagstadgat%20belopp,512%20kronor%20vardera%20per%20m%C3%A5nad.

https://seniorval.se/bra-att-veta/vad-kostar-aldreboende

大変だけど興味深かった

日本との違いもあり、興味深かったアルバイト。

入居者の人と触れ合える機会もとても多かったです。

また、入居者の人を介護するにあたって、電動で上げ下げできるベッドや、補助器具がありながらも、毎年夏のアルバイトが終わるころには腰が痛くなってしまったので、体の使い方が悪かったのかなと思いつつ、大変なお仕事だと感じました。

そして、言葉がとにかく大変で、毎回仕事が終わると緊張がとけて、大泣きしていたのも、いい思い出です( ´艸`)