スウェーデンのサンボと結婚の違いとは

スウェーデンでパートナーと一緒に暮らす場合、サンボか婚姻関係を結ぶか、を選ぶことになります。

どちらの関係も平等に、子供手当など、国からの補助や支援を受けることが出来ますが、大きな違いは別れる事になった場合の財産分与パートナーが亡くなった時の財産相続にあるといえます。

ここでは、サンボや結婚に関わる法律、それらの財産分与の違いについて書いていきます。

サンボと婚姻に関わる法律とは

サンボの法律 Sambolag (2003:376) 1§ によると、サンボは「結婚のような関係にある、共通の世帯に一緒に住んでいる2人」とあります。

共通に登録した住所がある、または6カ月以上同居していれば、サンボとみなされ、特別にサンボとして手続きをする必要はありません。ここが結婚との大きな違いとも言えます。

ちなみに、一緒に暮らしていない関係は、särbo といって財産分与などの法律はありません。

結婚に関わる法律は Äktenskapsbalk (1987:230) で、1§「結婚した2人は配偶者となる」とあります。

サンボの財産分与とは

  • 別れる際は、一緒に使用するために購入した、住居と住居に所属する物(家具・マット・電化製品など)は、折半する。(誰が支払いをしたかは関係ない)
  • パートナーが亡くなった場合、一緒にいた期間や、子供がいる無しに関わらず、相手のサンボの財産を相続することはありません。(子供がいる場合は子供に相続される)
  • お互いに法律とは違った要求がある場合は、結婚契約書(äktenskapsförord)、遺言書(testamente)、または贈与証書(gåvobrev)を作成する必要があります。
  • お互いを扶養する義務、世話をする義務はありません。

婚姻関係での財産分与とは

  • 別れる際は、住居や会社、家具など、結婚する前にどちらかが持っていた財産も含め、全ての財産を折半します。(結婚契約書、遺言書、または贈与証書にて、私有財産などの取り決めをしていない限り)
  • パートナーが亡くなった場合、その配偶者が相手の財産を相続します。
  • お互いを扶養する義務、世話をする義務があります。

サンボと結婚の財産分与違いの例

例:

AとB (2人一緒に住むために、2人で買ったマンションに住んでいる)

ソファー: A が一緒に住む前に購入

ベッド: B が一緒に住む前に購入

テレビ: 2人で見るために購入し、Bが支払いをした

携帯電話: Aが使うためにAが購入

・2人が別れた場合

サンボ: Aがソファー、Bがベッドを受け取る。マンションとテレビは、2人の財産として折半される (誰が支払ったかは関係がない)。携帯電話は、Aが個人での使用で購入したものなので、Aが受け取る。

結婚: すべての財産を折半する。

・パートナーが亡くなった場合

サンボ: 相手のサンボの財産は相続できない。

結婚: 配偶者が亡くなったパートナーの財産を相続する。

パートナーとの関係を選択しやすいスウェーデン

日本とスウェーデンの法律は、共通する部分も多いですが、違うこともあります。

スウェーデンでは、事実婚であるサンボを選択するカップルも多く、結婚をしなくても、法律で経済的に守られている所があるのは、とても良いなと思います。