やっかいなやっかいなマダニ(fästing)!
動物の血液を栄養源として、吸血するだけでなく、病原体を保有している場合、マダニに刺されてしまうと病気を感染させられてしまいます。
大自然の中を散歩するということが、ほとんどない私達家族なのに、私、長男、次男と刺されてしまい、次男に至っては救急外来に行くことになってしまいました。
ということで今回は、その次男がマダニに刺されて救急外来に行った話について書こうと思います。
次男の首にマダニがいた
「首の後ろに何かある」
朝、次男にそう言われて見てみると、あー、いました、黒い物体、マダニが頭をぐっと皮膚の中につっこんでいます。
そこで取り出す、マダニを取るキット、確か薬局で買いました。
前回は半年ほど前に長男が頭をマダニに刺されてしまった時に使いました。
説明書を見ながら、根本を挟んでまっすぐに引っこ抜きました。
ネットを見ると取り方は色々載っていますね。
引っこ抜いたら、マダニの頭がくっついていたので、とりあえずは一安心して、アルコールで刺された箇所を消毒しました。
マダニに刺されることで感染する病気
スウェーデンで病気のことで疑問があったら助かる強い味方が『1177』(医療アドバイスのための国内電話番号)
刺されたことを話すと、マダニに刺されてかかる感染症で多いのが、ライム病(Borrelia)とダニ媒介脳炎(TBE)だと言われました。
一通り、2つの病気について説明された後に、「首を前に曲げられなくなるようなことがあったら、救急車を呼んでください」と言われました。
これは、次男が首の後ろを刺されたからかと思っていましたが、ライム病が神経系に広がってしまった場合、首や背中などに激しい痛みを伴うことがあるからだと思われます。(あくまでも私は素人ですが)
私も勉強がてら、病気について簡単に調べてみました。
ライム病 (ライムボレリア症)(Borrelia)
ライム病は細菌感染症であり、抗生物質で治療することができるが、ライム病の予防接種を受けることはできない。
ダニを介して広がる細菌性疾患で、ほとんどの人は軽度の症状を示し、抗生物質による治療後に回復する。しかし、病気が関節や神経系に広がり、回復するまでに少し時間がかかることもある。
症状
刺された皮膚の赤い斑点あるいは丘疹
最も一般的な症状は、皮膚に赤い斑点あるいは丘疹ができること。
ダニに刺された場所で発生し、通常、噛まれてから1〜4週間後に現れて、次の特徴がある。
- 赤みが直径5センチ以上
- 赤い面が大きくなる
- 赤みがは環状、楕円形、またはわずかに不規則な形
- 赤みが真ん中で薄れるか、均一に赤くなる
- 赤い面がかゆくなり、しびれがある
ライム病が神経系に広がる可能性
ライム病が体の神経系に広がることがあり、大人よりも子供によく見られる。
通常は発症までに2〜6週間かかるが、最大3か月かかる場合も。
皮膚の典型的な赤い斑点が出ることもあるが、全てではない。神経系に広がった場合の症状は
- 頭痛
- 首のこわばり
- 首、背中、腕、脚に激しい痛み
- 顔の一部の麻痺
その他
- 首や頭痛など体の痛み(体中に広がる場合も)
- 赤や青の出来物
- 関節炎
ダニ媒介脳炎 (TBE)
ダニ媒介脳炎(TBE)はウイルスであり、治癒することはできないが、予防接種を受けることで感染を防ぐことができる。
ダニを介して広がるウイルス性疾患で、感染症は脳の中枢神経に影響を及ぼす。
感染したほとんどの人は、発熱、筋肉痛、頭痛などの経度の症状を示し、感染した3分の1が重病になる。
症状
感染してから症状が出るまで、通常4日から10日かかるが、1ヶ月ほどかかることもある。
最初に、以下の1つ以上の症状が発生する場合がある。
- 倦怠感
- 頭痛
- 熱
- 筋肉痛
ウイルスが脳や髄膜に広がってしまった場合、さらに厄介な症状が現れることがある。
これらは通常、初期の軽度の症状が消えてから約1週間後に発生し、 その場合、次の症状の1つ以上が発生するのが一般的。
- 激しい頭痛
- 高熱
- 集中の難しさ
- 音と光の感度
- 錯乱
- 嘔吐
参照: Fästingsjukdomar
マダニに刺されて11日後に首と背中が痛いと訴えた次男
刺された後は普通に過ごしていましたが、刺されて11日後の朝に、突然「首と背中(上半分)が痛い」と言い出しました。
驚いて、「首を前に倒して、あごが胸につくか」聞いたら、痛くて少ししか前に倒せませんでした。
そこで急いで1177に電話して事情を話し、まだ次男も元気にしていたためか救急車を呼ぶまでは言われず、すぐに救急外来に行くように言われてそうしました。
救急外来ですぐに対応してくれた
救急外来では、事が重大であるのか、子供だからか、すぐ対応してくれました。
今はコロナのせいで、付き添いでは1人しか入れないので、夫が息子に付き添い、私は外で待つことに。
どうやら、体の調子や、どれだけ体が動くのか、血液検査、などを行いながら、医師が2,3人来て症状を見て話し合い、慎重に診察していたようです。
結局、病名などは告げらませんでしたが、抗生物質を1日3回を14日分と、その他の薬も出す、と言われました。
もし、それで効かなければ、背中から入れる薬を使うそうです。
スウェーデンでは16歳以下は処方された薬が無料
その後、夫が病院に隣接している薬局に処方された薬を買いに行ったのですが、薬が無料だったと驚いて帰ってきました。
どうやら、2016年1月から18歳以下の人は、ほとんどの薬が無料で受け取れるようになったようです。
いや、これは本当に有難いですね。
TBEのワクチンを受けようと思ってます
長男の時は、マダニに刺されてから、専用のピンセットで取って消毒をして、そのまま何も起こらなかったのですが、病原体を持っているマダニに刺されると怖いですね。
次男は、抗生物質を飲んですぐに首の痛みも軽減していき、首を前に曲げてあごが胸につくようになり、ホッとしています。
実は、私もたぶん刺されたことがあります(黒い虫で、チクッと刺されて手で追い払った)
その後、刺されたところから黄色い透明の液体がどぼどぼ出るようになり、抗生物質を飲みましたが、赤い斑点が体全体に広がり、これがとても痒くて、全部なくなるまで7年かかってしまったことがあります泣
私達は森に遊びに行くことがほとんどないものの、ただそこら辺を歩いているだけで刺されてしまったので、近くのVårdcentralでTBEのワクチンを受けようと考えています。
これについても、ここに書き足していきます。
次男がスウェーデンでマダニに刺されて救急外来に行った話
ということで、次男がスウェーデンでマダニに刺されて救急外来に行った話でした。
長男は何もなかったので、次男にこんなことが起こるとは、という気持ちでした。
抗生物質が効いているようだし、何よりも1177で、「首を前に倒せなくなったら救急車」という言葉を聞いていて本当に良かったと思っています。
正直、まるで風邪でちょっと節々が痛い、のような症状だったのです。
それとマダニに刺されてから、少し気が抜けていた数週間後に発症するというのも、驚きですし、気を付けたいところですね。