4年間の大学生活を無事終えて、ホッとしています。
周りからは有難いことに、子育てと学業の両立したことを褒めていただくことがあるのですが、一番しんどかったことは、実はそこではありませんでした。
勉強は大変といえばそうでしたが、むしろ、子育ても勉強もしたいことだし、勉強内容もとても興味深いものだったので、この両方ができている状況を有難いと思っていました。
では、何か一番しんどかったかというと、それは、文化の違いと人間関係の難しさでした。
大学では実りのある経験も多くしましたが、私が感じたネガティブな部分も、今回はあえて書いています。スウェーデン人、というくくりでまとめて意見を述べることを嫌がる人もいるでしょうし、今回の内容に全く同意できない人もいると思います。
あくまでも私が感じたことを、一つの経験として書いていることをご了承ください。
スウェーデンの大学でしんどかったこと
大学が始まる前にNollningという、新入生に向けた1週間にも渡るアクティビティが行われます。
そこで、友達を作るというのが、お決まりのパターンのようですが、私はそこに行く気力がありませんでした。
卒業したビジネスと経済学科の前に、長男を妊娠していた時に保育科に数か月通ってたのですが(興味が続かずに他の科に変えました)、その時の色々としんどいことが思い出されて、友達が出来なかろうが、1週間の濃いアクティビティへの参加を、とてもする気にはなれませんでした。
そして案の定、大学が始まった頃には、すでにそれぞれのグループができていて、それぞれで固まっていました。
グループで固まり、他者をあまり受け入れない、というのは、スウェーデン人同士でもあるようですが、私はなおさら、グループなんて入れませんでした。
グループに入りそびれた私は、同じくグループに入っていなかった人達と一緒にいて、過ごしていましたが、授業には常にグループワークがあるので、色々な人達と作業する必要があります。
これは私の解釈ですが、スウェーデン人は、下手に目立つことや外れることを嫌います。なので、グループ内で教室内で、そつない行動をします。
そして、違う行動をする=変な人、となることがあるのです。
典型的なスウェーデン人の若者のように振る舞えない私は、違う人=変な人。時に陰口を言われ、時にkonstig(変)と言われ、それでもグループワークはしなければいけないので、歯を食いしばってやったことが何度もありました。
保育科に通っていた時、グループワークで子供達を観察するという課題があり、グループで図書館に行って、そこにあるおもちゃで子供達がどのように遊ぶかを観察することにしました。
一回15分程観察してデータを集めた後に、私はデータが足りないと感じたので、もう一度観察しようと言いました。
そしたら、グループ内の一人が私に
「あなたが一人でやれば」
と言いました。
こんな人が保育園の先生になるなんて、とぞっとしましたが、良くも悪くも作業はlagom(ちょうどいい)なのです。
必要最低限のことはやるけど、それ以上のことはやらないことが多く、「頑張ってやり遂げる」を美としていた文化に慣れていた私は、彼女たちのやり方とは違っていました。
それから、グループワークで、張り切って頑張ろうとする度に周りに引かれ、私は徐々にグループ内の雰囲気や流れにのるようになりました。
もう、違った行動をするたびに浴びる、冷たい視線に耐えられなくなってました。
教室でスウェーデン人の若者の中にいると、周りから浮いた行動をしてはいけない、リラックスできない息苦しさみたいなものを、常に感じてました。
しんどかった私が救われたこと
そんなんで、スウェーデン人の若者だらけの中の人間関係は、正直しんどいこともありました。
でも、そこで救われたのは、スウェーデンに移住してきた明るいアフリカ人の男性と、経験や知識が豊かなイタリア人の女性、そしてどこのグループにも属せず、すぐ仲良くなれたスウェーデン人女性。
スウェーデン人女性は、アジア人の私とも抵抗なかったようで、すぐに仲良くなれました。
彼女はあまり真面目に授業を受けてなかったので、私が授業の内容や課題について説明してあげて、彼女は私の論文のスウェーデン語を直してくれました( ´艸`)
アフリカ人男性は、不安がる私を何度も励ましてくれました。
イタリア人の女性は、スウェーデンでの移住歴も長く、仕事もしていて、スウェーデンで他の学科で大学も出ていて、頭が良く情熱的で、親身になって色々なことを教えてくれました。
彼女の強気な性格も、大好きでした。
休み時間に教室で、スウェーデン人のことで辛い気持ちを話したら「スウェーデン人はエゴイスティックだ!」と、スウェーデン人だらけの教室で言い放ったことがあります。
教室中がしーんと静まり、怒り出す生徒もいる中、毅然としている彼女は、本当にかっこよかった。
彼女も、アフリカ人男性も「違っていた」ために、他の生徒が「変だ」と言っているのも聞きました。教室にいる時は、息が詰まる思いを何度もしていました。
でも、3人友達ができて、その存在がいたために最後まで頑張ることができました。
勉強はあきらめなければ何とかなる!
勉強は、こつこつひとつずつこなしていけば、いつかやり遂げられます。
再試験だって何度もやればいいんです、私は法律の授業で、1回5時間かかる試験を、計5回受けました。気づけば受かるまでに1年間経ってました。(最後の再試験は、次の年の生徒と受けました笑)
論文だってやり直して何度も提出すれば、いつかクリアーできます。
夫が大学で働いているので分かるのですが、大学の試験は生徒を落とすためにしているのではありません。
教師側だって、生徒に受かってほしいのです。
だから、何度も食らいついてやってれば、いつか受かります。
多種多様な人間関係に悩まされることよりも、勉強の大変さは頑張れば解決する単純な悩みでした。
スウェーデンの大学でやらかしたこと
そんなこともあって、私がスウェーデンの大学でやらかしたことは
- 友達を作ろうと、がんがん話しかけてしまったらひかれた
- 不安な気持ちを口にしてネガティブに受け取られた
- グループワークで、もっとやってみようと言ったらひかれた
明るく笑顔で “Hej!” とせまったらひかれました笑
グループワークで課題をこなせるかの不安から、ネガティブなことを言うのにも要注意です。
「難しいね~、できるかな~」なんて不安を口に出して共有することで、仲間意識が高まったりするじゃないですか。
これが癖になっていて、グループワークで不安を口にしたら、ネガティブな人と見られただけでした。
そうではなくて、仲良くなる前は、平然とグループワークに参加して、余裕ぶっかまして”Det löser sig(なんとかなる)” と言っておけばいいんです。不安な気持ちは家で吐き出せばいい、家に帰っていっぱいググって課題を頑張ってこなせばいい、と過去の私に言ってあげたい(笑)
人間関係含めてすごくいい経験だった
保育科に通っていた時は、よく泣いてました。
でも、そこである程度免疫がついたのか、ビジネスと経済学科に通い始めた時は覚悟が出来ていたので、泣くことはなくなりました笑
正直、スウェーデン人が大嫌いだったのですが(おい!)、そのうち徐々に受け入れられるようになって、嫌いな気持ちが徐々に薄れていって、時々ポジティブな部分も見れるようになってました。
大学でのネガティブな経験も、自分の捉え方次第だったのだと思います。自分が変わっていくことで、見えることも変わっていきました。
また1対1で会話をすると結構楽しく話せることもあって、集団になると、行動の仕方が変わってくる、というのもあります。
これに懲りず、また通いたい学科があるので、いつかまた大学生になると思います( ´艸`)
ということで、私がスウェーデンの大学でしんどかったこととやらかしたことでした。