2009年8月、スウェーデンに移住してから2カ月後に、スウェーデン人でも今はもうやる人がいないという、伝統的な農民の結婚式Bondebröllopetを挙げてもらいました。
夫が所属していたフォークダンスのグループ(Österlens Folkdansgille)の人達が、計画と準備を全部してくれたのです。
そのフォークダンスのグループは、ドイツのフォークダンスのグループ(Schwäbischer /Stuttgarter Spielkreis)とも交流もあり、ドイツからのグループもスウェーデンに来て、両方の国のダンスが踊られて、一般の人達にも宣伝し見に来れるようにして、盛大に行われました。
当時、周りが何を話しているのかも、さっぱり分からなかった私は、とりあえずフォークダンスの練習をして、結婚式に臨みました。
結婚式のは、義母が新婦の髪を切る、など以前農民の人達が行っていた結婚式を再現したもので、ストーリーがあって面白かったので、今回は、これらの農民の結婚式の内容について書こうと思います。
結婚式の始まりとゲストの入場
まず、新郎が馬に乗って入場してきます。
その後に、新郎の家族・親戚が入場。(この時は、スウェーデンのグループの人達)
その後、新婦(私)が、馬車に乗って入場。
新婦の家族・親戚(この時はドイツのグループの人達)が入場。
その間ずっと、演奏が続いています。
入場し終わり、テーブルの上に乗っている食事を食べたり、お酒を飲んだりしています。
神父の前で結婚の誓い
新郎新婦は4人が持っている布の下を歩いて、神父の元に向かっています。
神父のもと、結婚の誓いをたてます。
誓いも終わり、皆で乾杯です!
新婦は神父と、新郎は神父の妻と踊ります。
新婦の両親とも踊ります。(父がまだ元気でした涙)
フォークダンス
ドイツのグループによる旗Fahnenswingen
スウェーデンの織物を表すダンス(Väva Vadmal)
スウェーデンの求愛のダンス(Uppvaktningsdansen)
求愛のダンスが終わる頃に神父が帰り「やったー自由に遊べるぞー!」とかなってる設定。
4人組で膝を曲げて耐える、ウォッカのダンス(Brännvinsdansen)
花嫁の友達との別れ
新婦は、友達と別れのダンスをします。
一人一人の友達と踊っていて、お別れをします。
そして、自分がかぶっていた、未婚を意味する赤い帽子をはずし、それぞれの友達にかけて試して周り、一番似合う人を決めます。
選ばれた女の子が次に結婚できる、という言い伝えがあるとかないとか。
その後、新婦は義母に、他の男を魅了することの無いように、髪を切られます(この時は、偽物の髪を用意しました~)。
そして義母は、その髪を持って町中の人に見せて周ります。
既婚を意味する白い帽子を義母に被されました。
義母たちに持ち上げられ「もうこの子は既婚なのよ~」と町中連れまわされます。
楽器を弾いてくれた人たちに、感謝の意味を込めてリボンを楽器に結んでいきます。
みなさん、ありがとう~
花婿も友達との別れ
花婿も一人一人と、若き頃の男友達と踊り、別れを告げます。
かぶっている帽子をそれぞれにかぶせて、一番似合う人を決めます。
こちらも選ばれると、次に結婚できるとかないとか。
そうこうするうちに、既婚男性達が新郎を連れに来ます。
未婚男性達は新郎を結婚させまいと、既婚男性と戦いますが、次々に投げ出され、最後には既婚男性達が勝ち、新郎は既婚男性の仲間入りをします!
新郎と新婦のダンス
既婚を意味する白の帽子をかぶった新婦と新郎が踊って
次に結婚すると選ばれた同士も踊ります。
最後は、参加者全員で円になって踊って、結婚式は終わります。
退場
その後は、皆で列になって退場して、結婚式は終わりました。
無事、結婚式も終わってホッとしながら、集合写真。
といった流れでした。
結婚式後のパーティー
結婚式を挙げた後のパーティーは、こちらの1400年代に建てられた、Bollerups borgというお城で行われました。
義母がスウェーデンと日本の旗のついたケーキを用意してくれました。
誰かがグラスをスプーンで鳴らして、リンリンリン。
そしたら、ぞろぞろと男性ゲスト達が立ち上がり、列になり、私は、パーティーに参加していた男性ゲスト全員に、ほっぺにキスをされ、分けわからずパニックになりました。
その後も、グラスを鳴らしてリンリンリン。
ぞろぞろと女性ゲストが立ち上がり列になり、夫も女性ゲスト全員にほっぺにキスされました。
親戚の結婚式でもこれをやったので、スウェーデンの結婚パーティーで定番なのでしょうか。。。
ここでも食べては踊り、踊っては飲み。午後2時から始まった結婚式は、結局夜中の2時にようやく終わり、もうくたくたになりました(;’∀’)
スウェーデンで伝統的な農民の結婚式がストーリーがあって面白かった話
ということで今回は、スウェーデン人でもやることはない、という農民の伝統的な結婚式を挙げてもらえたので、そのことについて書きました。
義母に髪を切られるとか、既婚を意味する帽子をかぶるなど、以前はもっと厳しかったであろう、スウェーデンの文化が見える結婚式でした。
パーティーでは、何時間も歌って踊って飲んで食べて、タフなスウェーデン人流のパーティーにクタクタになりました。