スウェーデンで個人事業主として開業届を出す具体的なやり方

はる蔵
はる蔵
よし、実際にSkatteverketで個人事業の開業届を申請するぞ!

スウェーデンで個人事業主になるためのステップは、次の5つのステップになります。

  1. Företagsskatt(F-skatt かFA-skatt)の申請
  2. 付加価値税(moms)の登録
  3. 会社名の登録
  4. 銀行口座の開設
  5. 健康保険や損害賠償保険などの保険について調べて、必要であれば入る

Skatteverket でこの中の1と2の申請と登録をすることができますので、今回はその具体的な手順について書いていきます!

ステップ1と2に出てくる用語やシステムの説明はこちらをどうぞ↓

スウェーデンで個人事業主として開業届を出す

Skatteverket では、以下のことが無料でできます。

  • F-skatt の申請要請
  • 雇用主(arbetsgivare)としての登録
  • 付加価値税(moms)の登録

これらは verksamt.se からか、または skatteverket.se からFöretagsregistrering (4620) をダウンロードして行います。

Skatteverketから申請と登録をする

今回は、Verksamhet.seからログインして、オンラインでの申し込みをするパターンについて書きます。

今回の使用している事例は

  • 従業員は雇わない
  • これから個人事業主として開業する
  • 収益になる事業は1つのみ
  • まだ事業に関わる物品やサービスの購入や、物品やサービスの販売をしていない
  • スウェーデン国内で事業を行う
  • 株式などの資産はない

を前提としていますので、ご了承ください。

1. Mina sidor からログインする

Verksamhet.se の Registrera företag eller föreningからe-legitimationでログインし、会社の形態としてEnskild näringsamhetを選びます

ここで、Skatteverketを選んで開業届を出す手続きをします。

Bolagsverketで会社名を商標登録ができますが、登録料がかかります(登録料は範囲によって変わって、1県分内で会社名を登録する場合は1100 kronor かかります)。個人事業主は、会社名は登録しても登録しなくてもいいです。

私は会社名に思い入れがあり、業務に関わる名前なので、会社名を商標登録しました。

2. 会社情報

これから個人事業主として事業を始めるので、Verksamheten är nystartadを選択します。

3. 事業を始める日

ビジネスを始める、または始めた日を書きます。

例えば、事業のために3週間前に備品などを購入した場合は、その日にちを記入します。今回は2021-06-01と記入。

4. 会計年度

個人事業としては、会計期間は常に1月1日から12月31日なので、例えばその年の6月1日にビジネスを始めた場合は、その年度の会計期間は12月31日までとなります。

ここでは、その日にちを確認したのち、次のページに進みます。

5. 会社の事業内容

SNI-kod をクリックすると、様々な事業のSNI-kodが出てきますので、あなたが行う事業内容とあったコードを見つけて、それをSNI-kodの欄に書き込みます

SNI-kod はスウェーデンの様々な産業を分類している、5桁のコードのことを指します。新しい事業を始めたり、登録した事業とは違ったビジネスを始める場合などは、SNI-kodを変更する必要があります。

いくつかの事業を行う場合は、複数のSNI-kodを”Lägg till”をクリックすることで書き加えることができます。

また、この先の12か月でおおよそどれ位の売上高(omsättning: つまり、支出などを差し引く前の利益)が見込めるかをTotal omsättningに書きます。そして、それぞれの事業でおおよそ何パーセント位ずつの売上高が見込めるかパーセンテージを記入します。

今回は、収入源は1つだけとしているので、売上高の割合は(Andel i % av total omsättning) 100%と書きます。

Beräkna omsättningをクリックすると、その事業で見込めるおおよその収益が計算されます。Sparaをクリックして次のページに進みます。

どれ位の収益が見込めるか予測することは難しいと思いますが、心配しなくても大丈夫です。数字は後からでも変更することができます!

6. 雇用主としての登録

今回は、従業員を雇用はしないので、Nej, verksamheten ska bedrivas utan anställdaを選びます。

7. F-skattの承認の申請

ここでは、F-skatt か FA-skatt のどちらを申請するかを選びます。

従業員を雇わない場合はF-skatt を、従業員を雇う場合はFA-skattの承認の申請をします。

F-skattが承認されるには、以下を満たす必要があります。

  • 事業を行う、または申請日から3カ月以内に事業を開始する予定
  • 所得税申告書(inkomstdeklaration)を提出し、税金と手数料を支払う義務を果たす必要があります。これは海外の税金や手数料にも当てはまります。
  • 過去2年間に、F-skattを乱用していない。

F-skattの承認を申請しないという選択肢もありますが、F-skattを申請するということは、あなたが税金と手数料を支払う責任を負う、という真面目な事業者であるこを示していて、この承認なしで、個人事業主となるのは、実質無理だといえるでしょう。

今回は、従業員を雇用しないので、Ja, jag ansöker om godkännande för F-skatt を選びます。

8. 事業タスク

ここでは、あなたの事業内容がサービスを売ることを主にしているか聞かれます。サービスを売るならJaを選びます。

9. 付加価値税(moms)登録

ここから付加価値税(moms)の登録が始まります。

付加価値税は、物品やサービスのほとんどの売買に対して課されます。

付加価値税の義務のある収益が、1年で3万クローナ(30 000 kronor)以上であれば、付加価値税の登録する必要があります

その場合はBedriver momspliktig verksamhetをクリック。

10. 付加価値税の義務が発生する事業を始める日

すでに、事業に関しての物品やサービスを購入している場合は、1つ目の質問にJa。

すでに物品やサービスを提供している場合も、2つ目の質問にJaをクリック。

今回は、まだどちらもしていないので、Nejを選択。

前の画面でNejをクリックしたので、自動的に事業開始日の日にちが出てくるので、そのまま次のページへ。

11. スウェーデン以外での事業活動

今回は、スウェーデン国内で事業を行うので I Sverige のみを選択。

EUなど、スウェーデン以外でも事業を行う場合は、複数選択できます。

12. 課税ベースの計算

ここでは、おおよその年間売上高(付加価値税を除いたもの)をOmsättningに記入します。

ということで、ここには5の事業内容で書いたのと同じ額を書きます。

付加価値税がかからない販売(Momsfri försäljning)は、例えばEU以外への輸出などは今回ないので、ここには0を記入。

Beräkna beskattningsunderlag och omsättningをクリックしたら、次のページへ。

13. 付加価値税の申告頻度(momsdeklaration)

最初の売上高が比較的低い場合は、1年に1度の申告をおすすめします。

Varje kalenderkvartal: 3カ月に1回の申告。Varje kalendermånad: 1か月に1回の申告。売上高の見込みによって選択してください。

14. 付加価値税の申告の仕方

見込みの収益が年間300万クローナ(tree miljoner kronor) 以上ではないため、Faktureringsmetoden, Bokslutsmetoden, Ej bokföringsskyldig enligt bokföringslagen から選びます。

Bokslutsmetoden が一番シンプルなため一般的です。

Faktureringsmetoden: 顧客に請求書を送った時と、顧客から支払いを受け取った時、両方時に帳簿に記載する方法です。支払い時も、請求書を受け取った時と、支払った時の両方帳簿に記載します。年間売り上げが300万クローナ(tree miljoner kronor) 以上となる会社は、この方法が義務付けられています。

Bokslutsmetoden: それに対して、Bokslutsmetodenでは、顧客からの支払いを受け取った時と、支払った時のみに帳簿の記載する方法です。

15. 事業活動による収入

Inkomst av näringsverksamhet

ここでは、予定納税(preliminära skatt)を計算するための情報を記入します。

年金保険料を会社が支払った金額を合算して、課税の基準が計算されます。

事業利益(Verksamhetens överskott)の計算をします。これは売上金とは違い、経費なども差し引いた額のことを指します。

以前おおよその年間売り上げを60 000 krとしました。これはつまり月に5000 krとなり、2021年は6月から事業を始めるので、今年度のおおよその売上金は、5000kr×6か月=30 000krとなります。次におおよその経費を7 000kr。機械などの減価償却(avskrivning)も無いと考します。

収益 30 000 kr – 経費 7 000 kr=利益 23 000 kr

所得控除 (schablonavdrag) 25% つまり23 000 kr × 25% = 5750 kr

事業利益(Verksamhetens överskott): 23 000 kr – 5750 kr = 17 250 kr 

1956年以降に生まれた人は、最高25%の所得控除が受けられます。(年齢によって少ない控除を行う場合があります)

Underlag särskild löneskatt på pensionskostnad, eget pensionssparande は今の時点ではないので、ここでは空白のまま次へ。

16. 給料・利益・控除など

Inkomst och skatt hittills under året/ Inkomst resten av året

雇用はしないので空白。

17. 一般の控除

外国でのSocialförsäkringsavgifter は無いので、こちらも空白で次へ。

18. 金利収入・配当金収入・支払い利息など

Kapital

株などの資産からの収益も無いので、空白で次へ。

19. 連絡先の記入

電話番号とメールアドレスを記入し、次のページへ行くと今まで記入してきた内容が見れますので、確認し合っていれば “Jag har granskat och vill skriva under och skicka in” をクリックすれば、申請終了です。お疲れさまでした。

申請した後に、”komplettera” から内容の変更を申請することができます。

Skatteverket がこの案件を処理するのに、2から6週間かかるそうです。

スウェーデンで個人事業主として申請する

ということで、スウェーデンで個人事業主として申請する手続きについて書きました。

オンラインでできるので、比較的手続きは簡単にできますね。

これらは、あくまでも1例として書いていますので、ご自身の事業に合わせて申請や登録をしてください。

申請から2週間でSkatteverketから通知が届きました↓

今回の内容は、入念に書籍などを調べて書いていますが、ご指摘がありましたら「お問い合わせ」からお願いします。また、申請や登録はご自身の責任で行ってくださるようお願いします。